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東日本大震災:障害者死亡率2倍 迫る津波、救援後手 電話通じず、警報聞けず - 毎日jp(毎日新聞)

今日、友人から届いたメールで以下の記事が24日の毎日新聞に出ていることを知った。政府は調査をすると言っているが、実際にはまだ手についていないと聞いている。

私も親がろう者なので、実家で同じ事が起こったらと思うとショックを受ける。障害をお持ちの方から震災の時に情報がなかったというようなお話しを何度かお聞きして親が阪神大震災の支援に熱心だった理由の一つがわかったような気がする。

弱者に弱い社会は結局、住みにくい社会だと言うことを肝に銘じて対策を取っていくし、為政者にはそれを求めなければならない。

リンク: 東日本大震災:障害者死亡率2倍 迫る津波、救援後手 電話通じず、警報聞けず - 毎日jp(毎日新聞).
リンク: 東日本大震災:障害者の死亡率2倍 在宅者保護難しく - 毎日jp(毎日新聞).

東日本大震災:障害者死亡率2倍 迫る津波、救援後手 電話通じず、警報聞けず

 大災害が起きたとき、地域の障害者を誰がどう救えばいいのか。東日本大震災で、東北3県沿岸自治体の障害者の死亡割合が住民全体の2倍に上っていたという事実は、障害者を守る方策が機能しなかったことを物語る。あの日、被災地の障害者はどんな状況に置かれ、行政はどう動いたのか。【野倉恵】

 障害者手帳の所持者2586人のうち約2・2%にあたる56人が亡くなった岩手県釜石市。手足や呼吸のための筋肉が衰える難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した60代の男性は、救急車に乗せられる直前、津波に流され亡くなった。

 地域の医療機関や介護支援事業者らは、災害時に動けない難病患者らをどうするか事前に検討していた。まず保健師らが安否を確認し、連絡が取れなかったり交通網が遮断されたような場合には救急出動を要請する--。

 地震発生時、保健師は事態が急迫していると判断、保健所から災害優先電話で119番通報して男性を助けようとした。しかし、何度かけてもつながらない。「寝たきりの患者を搬送してください」。やっと電話が通じたのは十数分後だった。

 地元消防や保健所などによると、救急隊の4人が男性宅に到着した時、既に玄関が浸水しており、男性を担架に乗せた直後、大量の水がなだれ込んで男性と隊員1人をのみ込んだ。隊員は生還したが、男性は亡くなった。

 住民の死亡・行方不明が700人以上に及んだ宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区。聴覚障害者の渡辺征二さん(70)は地震発生時、やはり耳の聞こえない妻勝子さん(66)と自宅にいた。

 征二さんの兄敏正さん(74)が血相を変えて車で駆けつけてきたのは50分後。「早く乗れ!」。敏正さんは津波が来ると手ぶりで伝え、夫婦を車に押し込んだ。川沿いの土手を飛ばす車の数メートル後ろに黒い波が迫り、土手下の車と人をのみ込んだ。「30秒遅ければ、私たちも命がなかった」と敏正さんは振り返る。

 征二さん夫婦は普段テレビもあまり見なかった。消防団や地区の役員らが避難を呼びかけたようだが、聞こえない2人には伝わらず、「津波は全くわからなかった」(征二さん)という。

 釜石市も名取市も津波による浸水域を示すハザードマップは作製していたが、障害者らを誰が助けるのかは決めていなかった。

 ◇「時間帯」「障害別」で支援を
 国は05年、1人では避難が困難な障害者や高齢者らを支援するため、全国の市町村に「災害時要援護者避難支援計画」を策定するよう求めた。毎日新聞が調査した3県沿岸部35市町村のうち、だれがどの災害弱者を支援するかという個別計画まで立てていたと回答したのは宮城県石巻市、岩手県久慈市、福島県いわき市など6市。そこですら計画はほとんど役に立たなかった。

 個別計画を35市町村中最も早い07年4月に策定した石巻市。町内会、民生委員、消防団などのネットワークを使い、避難支援を申し出た人に原則2人の支援者をあてていたが、結果的に599人の障害者が亡くなった。市は今後、避難時の住民行動の検証をする方針だが、担当者は「津波は想定を超える高さで、逃げ込める高層ビルや高台がない所も少なくなかった」と話した。

 塩釜市の担当者も「防災無線や電話が使えず、支援者自身の身の安全確保すら難しかった」と話し、計画が機能しなかったことを認めた。

 「災害弱者に誰かをつけて一緒に逃げてもらう」という計画の仕組みそのものが、地元に伝わる「津波てんでんこ」の思想と「本質的に相いれないのではないか」(宮城県気仙沼市、岩沼市)との声も上がる。津波の際はめいめいが他人を気にせず逃げろという「津波てんでんこ」。気仙沼市の担当者は「支援者の安全優先を明確にしないと、なり手がなくなる。災害別、時間帯別、障害別に支援の仕方をきめ細かく決める必要がある」と指摘した。

 住民の高齢化や過疎化が進む三陸地方などでは、元々支援者の確保が難しい自治体も多い。震災後の災害弱者支援については「従前の支援計画を再び作っても意味はない。新たなまちづくりや復興計画と連動させるべきだ」(宮城県東松島市、南三陸町、岩手県陸前高田市など)とする自治体が多かった。

 自らも車椅子を利用する東俊裕・内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長は「聴覚障害の人に危険を伝えれば自分で避難できるが、視覚障害や肢体不自由の人には移動介助が必要だ。災害弱者対策は都市計画、福祉、防災を総合して取り組むべき問題だ」と話す。

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 ◇障害者手帳所持者と全住民の死者数と割合◇
 【宮城】障害者手帳所持者(人)    %  住民全体   %
石巻市       599     7.4  2726 1.7
塩釜市         0     0.0    47 0.08
気仙沼市      135     3.7  1027 1.4
名取市        76     2.0   810 1.1
多賀城市       17     0.7   122 0.2
岩沼市        12     0.7   149 0.3
東松島市       96     4.8   990 2.3
亘理町        23     1.5   299 0.8
山元町        53     6.3   614 3.7
松島町         1     0.1    16 0.1
七ケ浜町        7     0.8    91 0.4
利府町         0     0.0    11 0.03
女川町        75    14.0   771 7.7
南三陸町       82     8.2   755 4.3

 【岩手】
釜石市        56     2.2   735 1.8
大船渡市       47     2.1   328 0.8
宮古市        36     1.1   418 0.7
大槌町        59     5.8  1184 7.4
山田町        60     5.4   730 3.8
岩泉町         1     0.1    11 0.1
田野畑村        3     1.5    23 0.6
野田村         1     0.4    28 0.6
久慈市         0       0     4 0.01

 【福島】
相馬市        17     0.9   457 1.2
南相馬市       34     0.8   640 0.9
いわき市       35     0.2   307 0.09
新地町        17     3.9   109 1.3
浪江町        23     1.7   146 0.7
広野町         0     0.0     2 0.04
楢葉町         1     0.2    11 0.1
富岡町         1     0.1    19 0.1
大熊町         0     0.0     9 0.08
双葉町         1     0.3    30 0.4
==============
3県計      1568     2.0 13619 0.9

毎日新聞 2011年12月24日 東京朝刊


東日本大震災:障害者の死亡率2倍 在宅者保護難しく

 東日本大震災の被害が最も大きかった東北3県の沿岸部自治体で、身体、知的、精神の各障害者手帳の所持者に占める犠牲者の割合は約2%に上り、住民全体の死亡率に比べ2倍以上高かったことが、毎日新聞の調べで分かった。多くの犠牲者は自宅など施設以外の場所にいて、移動が困難だったり状況を把握できず津波から逃げ遅れたとみられる。障害者が抱える災害時のリスクをどう減らすかが改めて問われている。

 調査は10月、3県の沿岸部のうち犠牲者が出た35市町村を対象に実施、33市町村(宮城14、岩手9、福島10)が回答した。仙台市と岩手県陸前高田市は「障害者の死者数を把握できない」として数値の回答はなかった。33市町村の死者は計1万3619人で、全体に占める割合は約0.9%。身体、知的、精神の各障害者手帳の所持者(計7万6568人)に限ると犠牲者は1568人で、死亡率は約2%に達していた。

 障害者が亡くなる率が特に高かったのは宮城県沿岸部。599人の障害者が亡くなった石巻市は7.4%に上った。538人は身体障害者で、うち256人が肢体不自由だった。視覚障害者と聴覚障害者もそれぞれ30人以上亡くなった。市障害福祉課は「施設入所者やデイサービスを受けていた人たちの死亡例は、ほとんどなかった。自力で動けなかったり、津波が迫るのが分からず自宅などで逃げ遅れたケースが多かった可能性がある」と指摘する。

 宮城県女川町では75人の障害者(身体69人、知的4人、精神2人)が犠牲になり、死亡率は14%に達した。このほか同県南三陸町(8.2%)、岩手県山田町(5.4%)、福島県新地町(3.9%)などの死亡率が高かった。【野倉恵】

 ◇過酷な現実示す数字
 藤井克徳・日本障害フォーラム幹事会議長の話 障害者がいかに過酷な現実にさらされたかを示す数字だ。この現実を直視せずに社会保障制度や復興策の議論を進めることはできない。国が責任を持って詳細な実態を調査すべきだ。

毎日新聞 2011年12月24日 0時03分


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