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国民負担の増加

慶応大学の権丈先生が言っているように、日本で社会保障を充実させようとする政党が負担増が必要と正面から言わない傾向があるが、それは不幸なことだと思っている。

来年度見込まれている40兆円もの赤字は不況による税収の落ち込みが相当きいているのだが、不況を脱したとしても現在の税制のままではせいぜい10兆円(所得税が2〜3兆円、法人税が6〜8兆円)ほど税収が増えるだけ。さらに所得税の累進構造を中曽根行革以前に戻し、法人税の大企業優遇や証券優遇税制をやめても10兆円程度(所得税で1〜2兆円程度、法人税で5〜6兆円など)しか税収は増えず今後必要となる社会保障費をまかなえる十分な財源は生み出せない。ここまできてやっとプライマリバランスが回復できる水準となる。今後の長期金利の上昇や、今後の増加する社会保障需要を満たすためには10〜20兆円程度の歳入増は不可欠だろう。

もちろん社会保障費の財源を現在のように品目に関係なく10%のフラット税率で徴収される消費税では、逆進性が強すぎて社会保障を支える財源として適切ではない。所得税の累進構造を強化しつつ所得税の税率を全体として引き上げる、法人税の基本税率を元に戻すだけでなくさらに引き上げる必要があるように思われる。特に所得税は累進構造の強化だけでは十分な税収を確保できないので、最高税率の引き上げだけでなく最低税率や中間所得層に対する税率の引き上げは不可欠だろう。

なお、ムダの削減をしても生み出せる財源はせいぜい数兆円(限りなく1兆円に近い)であり、税率の引き上げなしに十分な財源確保は出来ない。

というのが私の考え方なのだが、世間的にはずれているのかなあと思う。

はっきりしているのは福祉の充実のためには財源が必要であり、税と社会保障の所得再分配効果を重視すればその財源は個人所得と法人所得に対する課税強化と言うことにならざるを得ないと言うことである。

日本では所得再分配効果の強化と福祉の充実をいう政党が負担増を言わず(大企業優遇をやめることは主張するのだが)、自由主義的で所得再分配効果を弱め福祉を切り縮めようとする政党が負担増をいう(こちらは消費税だが)という理解に苦しむ状態がある。国民の気持ちを反映した結果なのだろうが、もう少し成熟した議論にならないものだろうか。

このことは昨今の子ども手当を巡る議論を見ていてしみじみ感ずるのである。これだけ財政が大変だから0〜2歳に対する7000円の引き上げをすることは駄目とか、他に回すところがあると言うのである。しかしよく考えてみれば、現在の財政や税制を前提とする議論のように思われる。現在を前提にするなら増やすのは自殺行為であると言うのは自明であり、結局福祉の充実はできないと言うことになるのではないか。それはおかしいと思うのである。

注射器肝炎―誰も語らなかった医原病の真実
美馬 聰昭
4876477655

予防接種だけでなく、開業医が注射器の取扱に問題があったためC型肝炎やB型肝炎が広がってしまったという話。深刻な問題であり、しっかりした解明が必要である。

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