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年功序列型賃金の意味

和田秀樹さんのブログから。

確かに考えてみれば、右肩上がりを前提にして70年代後半から90年代前半に欠けての受益者負担を理由とする教育費の引き上げは進められてきた。確かに家計の負担能力の限界ではあったが、何とかなっていた。また公共住宅政策の後退も持ち家政策が浸透することによって可能になったように思う。

しかし、90年代後半から増えてきた非正規労働の増大によって、年功序列賃金を前提とした様々な負担増にたえきれなくなってきていると言うのが実態なのだろうと思う。確かに、現在でも正規社員であれば定期昇給もあるところが多いが、特に若者層の雇用に占める非正規労働の実態が深刻であればあるほど、社会の分裂という深刻な問題が惹起するんだろうという気がするのである。


リンク: 全体を見れる力|和田秀樹オフィシャルブログ「テレビで言えないホントの話」.

要するに、日本の場合、子供の教育費そのほかで40代に一番金がかかるし、いちばん支出も多い構造になっている。年功型の賃金が保障されないと、子供の教育などもできずに、さらに貧困を再生産するという考え方だ。

よくよく考えると、日本の制度設計が、日本の企業の年功型賃金に乗っかった形で構築されているのである。

たとえば、ヨーロッパだとタダが当たり前の高校、大学の授業料が日本だと後ろにいくほど高くなる。

学校教育もどんどんゆとり化して、塾や予備校を使わないと教育レベルが維持できないのが当たり前になる。

医療費も3割負担が当たり前なので、中高年になって血圧や血糖値が高くなるとそれだけ金がかかる。

公営の住宅の整備が悪く、高齢になると家を貸してもらえないので、住宅ローンをくんででも持ち家にしないといけない。

そういう形で、中高年になるほど金がいるように社会のシステムがなってしまった。だから非正規雇用の人は子供を学校にやれない、家が買えないなどのさまざまな問題を30代、40代になってから実感する。

こういう年功型の賃金カーブを受けられる保証がないままクビの自由を会社に与え、非正規雇用をどんどん増やすというのなら、多少非正規の給料が上がったり、雇ってもらいやすくなっても、それがどんどん貯蓄に回るし、正規雇用の人も怖くて金が使えなくなる。

要するに必要支出の中高年になるほど金がかかるというカーブをなんとかするのと、セーフティネットを充実しないことには、企業にクビの自由を渡すと内需が破滅してしまう。

どうすればいいかというと、ヨーロッパのように医療と教育が事実上タダで、塾にいかなくても優等生なら東大や医学部に入れるくらい公教育を充実させて、あとベーシックインカムを確保することだ。

そこらへんがクビの自由を企業に保障したほうが社会は発展するという考え方と、私と湯浅さんの落とし所となった。


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